本課題では、卵由来因子による核の再プログラム化メカニズムの理解を通じ、任意の核に全能性を賦与するための基礎的知見を得る。まず、生化学的操作に適したカエル卵無細胞系を用いて体細胞核移植後にドナー核が卵割周期へ適応する過程、および、受精後に核で転写が開始される過程のそれぞれに必要な因子を同定する。さらに、上記の結果を踏まえて、精製タンパク質を用いた各過程の再構成にも挑戦する。
理化学研究所 平野染色体ダイナミクス研究室
専任研究員
RIKEN
Senior Research Scientist
男声合唱に没頭していた大学4年のある日、「カエルの卵のエキス(抽出液)」なるものに出会い、研究の世界に引きずり込まれました。この風変わりな(しかし、とても有用な!)実験材料を携えて、生物学最大の謎である全能性に挑戦することに胸を躍らせています。「流行には乗らず、自らが流行をつくり出す」をモットーに研究を推し進めます。